いつも靴下がどこかへいってしまうのは、なぜだろう。

しかも、片方。

昔は洗濯機の中にブラックホールがあるに違いないと思っていたけど、

最近はその前からない。残った靴下たちの袋はもういっぱい。

この中に相棒と別れ別れになったものがあるかと時々広げてみるけど、やっぱりない。

どこかに旅立った靴下たちがたどりついた場所があってぬくぬく暮らしていることだろう。

ある時はたと気づいて旅立ってしまった靴下たちと残った靴下たち。

残った靴下たちを組み合わせて履いてみる。悪くないぞ。

打ち合わせに履いていった。

ここは日本。出先で靴を脱がなければならない場面が突然訪れるスリル。

誰が両方同じ靴下を履かないといけないと決めたんだ、

コーディネートされていればよいじゃない。

社会の常識や期待から自由になろう。

天才的な閃きを世に披露した途端褪せていく、そんな瞬間。



考えてみれば、たくさんのものが旅立っていくな。

中にはしばらくして帰ってくるものもある。

だけど、踊っているときに旅立ったピアスは絶対帰ってこない。絶対だ。